刨溝(Vカット)とは、機械を使って鉄板の表面に溝を削り出し、その後の板材の折り曲げ加工を容易にする方法です。一般的に刨溝の形状はV溝であり、英語では「V-CUT」と呼ばれます。溝の深さは板材の厚さの1/3を超えることはありません。
折り曲げ機のV型上下モールドで折り曲げ加工を行う際、板材とモールドがぶつかって完璧な形状に折り曲げることができない場合があります。このような時には、刨溝加工が必要になります。
刨溝加工を施した板材は、任意の角度に簡単に折り曲げることができ、従来の折り曲げ機のモールドによる制限を受けにくくなります。また、刨溝加工によって板材が薄くなるため、より小さな折り曲げ半径(R角)が得られます。しかし、板材が薄くなるため、従来のV型モールドでの直接折り曲げと比較して、折り曲げ部分が脆くなることがあります。